試合の評価 0-2からの逆転も、スイスに勝ったのも、トーナメントに優勝したのも快挙ではある。
審判 上手くはないが日本に相性が良かった。PKを2本取られたベーラミにしてみれば悪魔のように見えたかも知れない。
前半僅か13分で2点を失ったところでは、サンドゥニでフランス相手に0-5で負けた試合を思い出した。スイスのプレッシャーの前にビルドアップができず、何もさせてもらえないうちの2失点。特に2点目はマニャンの縦の突破に全く対応できなかった。ドリブルで縦に走られてしまうと、味方がカバーに回らなければならない為にマークがずれ、ラインも下げざるを得なくなってしまう。その結果相手にスペースを与えることになり、失点に直結しやすい。なでしこのイングランド戦でも述べたが、ドリブルへの対応は早急に対処しなければならない課題だ。オシムに方策はあるのだろうか。日本はこの後もマニャンの突破は止められなかった。このあと一体何点取られるのだろうという感じだったが、30分過ぎに松井が裏への飛び出しから切り返してシュートを放ったあたりから風向きが変わった。その後は日本の決定機こそなかったが、スイスも攻撃が一段落したかのように落ち着いてしまった。前半は0-2のまま終了。
後半に入り、驚いたのは闘莉王のポジション。いきなりFWの位置に上がっていた。オシムもヤケになったのかと思ったのだが、スイスは面食らったのかも知れない。7分に松井が強引にエリア内にドリブルで切り込むとベーラミに倒されてPKを得た。流されても仕方のない場面だったが、PKを取ってくれたのはラッキーだったように思う。ともあれ、このPKを俊輔が決めて1点差。この後も稲本、闘莉王のシュートでゴールをおびやかす。特に、闘莉王が遠藤とのワンツーで抜け出した場面は理想的な崩しだった。スイスも反撃するが、マニャンを下げてしまったせいか前半ほどの鋭さは無かった。後半に入ってスイスの動きは明らかに落ちているように見えた。やはりオーストリア同様、シーズンが始まったばかりでコンディションが整っていなかったのだろうか。
こうした流れの中、22分には俊輔の左からのFKに巻がベーラミに引っ張られながらも体を投げ出してヘディングシュートを決め、同点とする。さらに10分後、CKの際にまたもベーラミが巻をエリア内で引っ張ってしまい、今度は文句なしのPKを得る。これをまたも俊輔が決めて遂に逆転。直後にオシムは巻に替えて矢野を入れるが、正直意外だった。この試合に勝つ気なら前線で非常に効いていた巻は替えないのが普通だ。スイスのクーン監督もそうだったが、互いに勝ち負けよりチーム作りを重視していたようだ。その矢野の投入直後のスイスのCKで矢野が簡単にマークを外してしまい、ジュールに同点ゴールをきめられてしまう。このあと勢いを増したスイスの攻勢にさらされるが、得点には至らない。ロスタイムに入り、左サイドを抜け出した山岸が中に折り返すとこれが中央の憲剛に渡る。憲剛はワントラップして右足を強振。このシュートはキーパーに阻まれたが、リバウンドを矢野が体を投げ出しながらハーフボレーで押し込み、日本がまさかの逆転勝ちを収めた。
幸運なPK、スイスの後半の急激なペースダウンとテスト優先の交替策など、割り引いて考えなければいけない要素もある。失点場面もあまりに簡単にやられ過ぎで、課題も多い。それでも、ほぼアウェイに近い状況でまがりなりもスイスに勝ったことは評価すべきだろう。何より、オーストリア戦とスイス戦の後半には日本の良さを存分に出すことができた。これでオシム株はだいぶ上がるだろう。
ただ、私としては納得のいかない部分もあった。前半に左サイドを突破した鈴木、後半に同様に左サイドを破った駒野がどちらも完全にフリーの状態にありながら左足でクロスを上げ、ゴールラインを割ってしまった。さらに憲剛が入ってすぐフリーでボールを受けながらやはり左足でパスを出し、相手にカットされてカウンターを浴びた場面。3人とも利き足でない足で蹴ってチャンスを潰したり、ピンチを招いたりした。これがボールを持ち直す余裕が無いのであれば私も文句は言わない(それでも憲剛の場面は問題だが)。だが、3人とも十分右足に持ち直す余裕があった。そして私に言わせれば3人とも左足のキックは下手だ(特に鈴木)。オシムにタッチ数を少なくするように言われているのかも知れないが、やはり利き足でプレーできる余裕があるならそうすべきだ。まあ、左SBにもっと左足のキックのうまい選手を起用しないオシムにも問題はあると思うが。
いちゃもんをつけてしまったが、結果的に欧州での国際トーナメントに優勝できたことは日本のサッカー史に残る快挙と言える。また、欧州の国を相手に2点差をはね返して勝ったのも同様に快挙だろう。もしかしたら、この勝利がオシムジャパンにとっての大きな転換点になる可能性もあると思う。

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